心と身体のバランスブログ

心の持ち方や健康面に関する記事を書きたいです。

エコノミカル・パレスの感想 7

この小説に出てくる登場人物で最も不幸なのは主人公ではない。主人公の家から見える公園で暮らす、ホームレスだ。主人公はお自動さんでお金を借りても、返せるだけの経済力を身につけることはできた。だから、借金も必ず返せるだろう。 彼らは漫画雑誌を拾って生計を立てている。その一人のもっちゃん(主人公とヤスオがつけた愛称)ホームレスは公園で暮らしている。自分の荷物はベンチ下に置いて雨をしのげるが自分の身はしのげない。 雨の日は駅の券売機付近にいて、路線図を見るふりをしている。演じることで、不審者と思われないようにしている様はとても悲しい。登場人物なのいに、何一つセリフはないものの、ところどころ悲哀感は文章を読んで伝わってくる。 文庫本の表紙を公園の写真にすることで、悲哀感を表現していると思えるのは私だけだろうか?