心と身体のバランスブログ

心の持ち方や健康面に関する記事を書きたいです。

エコノミカル・パレスの感想 9

主人公はスナックたんぽぽのバイト先では「ノリカ」という名前で働いている。 お店の終わりに帰路の途中、常連客のナバタメに偶然出会う。 いつもチップをもらっているなかで、その日はナバタメに食事に誘われる。 躊躇なく主人公はナバタメと焼き肉屋にいくと、趣味の写真を主人公に見せる。 渡されたA4のスケッチブックに貼られた写真の数々は、女性の陰部だった。 そのようなものを芸術と思っている60を過ぎたおっさんだが、食事中に人に見せるのは常識が外れている。 「目が麻痺しますね。なんだか」 焼き肉をごちそうになっている身なので、そう言うしかないだろう。 その時、主人公の携帯のベルが鳴り、立花光輝からなので、電話に出てみる。 「メール読んだけど、おれあんたになんもたのんでねえし、あの話しだってそういうつもりで話したんじゃねえよ?それをさあ、ひとりで何を言ってんの、援助とか協力とか何よ、あんた、おれのなんなわけ?」 「え、ごめん、まじでごめん」激高している立花光輝にただひたすら謝る主人公、悲しい話しである。 尽くせると思ったつもりが馬鹿にされたと取られた。 多分、30代半ばを過ぎた男なら、相手の気持ちも考えられたかもしれないが、20歳なのでしゃねえかな? その後、店を出て胃けいれんを起こし、ゲロを吐いて自分の服にかけて、そばにいたナバタメに背中をさすってしまう始末。 もう胸糞悪い描写がつづく。 その翌朝、オールして銀行に向かい、汚れた服のまま、銀行のATMに向かう。ナバタメのもらったチップやらを振り込むためだ。 最後、振り込まれた自分の通帳の残高確認をして、この物語は終わります。 この前に私は「ナミヤ商店の奇跡」と「下町ロケット」のようなハッピーエンドの小説を読んだ後にこれを読んだので、バッドエンディングで迎える本作は悲哀感を余計に覚えました。 架空の人物たちであるかけども、現実離れしていなく、本当にこれらの人がいそうとも思いました。2000年代を風刺しているし、他人と思えない描写は良かったです。 角田さんのことが少し、関心を持てるようになったので、今は「これからはあるくのだ」というエッセイを読んでいます。